置き配の法的根拠は?
最近聞くことがある置き配とは何なのでしょうか。
読んで字のごとくではありますが、「置いておく」と「配達」を組み合わせた単語です。本来というかこれまで荷物の配達の受け渡しは対面で渡し、ハンコをもらうことが必要とされてきました。これって何か法的根拠あってやっていることなのでしょうか?
標準宅配便運送約款
実は正解はYesです。厳密には法律というよりは取り決めといったレベル感になりますが、標準宅配便運送約款における宅配便運送約款というものに従って配達の手順が決められています。
そもそも標準運送約款とは何かというと、、、
貨物自動車運送事業法第10条第3項の規定に基づき、運送人(貨物自動車運送事業者)に対して国土交通大臣により決められたものです。国土交通大臣って出てきてしまうというのは結構重いですね。いつも宅配物を受け取る時そんなこと考えていませんでしたが、国の大臣が決めた手順に従っていたのです。
確かにそういったものがなく、各事業者が別々にルールを定めていたりすると受け取る側もそうですけど、送る側としても不安になってしまいますね。そして標準と書いてあることからもわかるように、国側では標準を決めていますが、各事業者側ではそれを踏まえた上で自社がどうするかをHPで公開しているのです。
ちなみにこれがヤマト運輸の宅急便約款(認可年月日:平成31年4月1日)。とても読めたものではありません。というのもものすごい細かい字で書いてあるので・・・
不在時の対応は
よく読むとわかりますが、不在時の対応について各社記載しています。標準規約では、不在連絡票での対応、隣人等への委託というのが不在時の対応ですが、各社そこに自社独自の対応を追記しています。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手3社は不在の場合は「宅配ボックスへの配達」もしくは「引渡日時および配達先の変更」をするそうです。さらにコロナ禍が始まってからは感染拡大を防ぐために玄関などの指定場所への置き配を行うという追記をしています。
各社の実際の対応は?
Amazonで注文をすると、注文画面から「置き配」の指定をすることができることがあります。但し、実体験では配達員の方の対応にもよります。何度も「置き配」を指定してもインターホンを鳴らされ、「置き配」を指定していたことを伝えると、配達先住所の登録の名前の前に「置き配」を入れておいてくれ、なんて頼まれることもあります。
その他運送会社によっても対応が分かれるのと、荷物によっても分かれます。インターフォン越しに置き配をお願いしても、
「これは対面でしかお渡しできないんです」
と言われたこともあります。さらには雨が降っていたりすると、
「いいですか?」
と念押しをされます。受け取る側としては、配達員の方が去ったらすぐに取りに行くつもりでも、配達する側としては雨の中に置き配したことで、荷物が濡れてクレームになるのが怖いのかもしれません。
インターフォン越しに見ていたら、置き配を渋々承諾した後に、置き配した荷物の写真をスマホで撮影されている配達員さんもいました。
置き配は標準になる?
各社とも置き配については試験運用的な部分はあるように思われます。今はどちらかというと接触したくないので置き配にして欲しいという顧客側の意向もあるかもしれませんが、そのうち何かしらトラブルが起きると、置き配指定していないのに置き配されて荷物が損傷したとか、そういったトラブルも出てくるかもしれません。
こういったことを防ぐためにも、運送会社側としては置き配にするかどうかの指定を配達前に明確に顧客にさせるといった流れになってくるのではないかと思います。
受け取る側としてはできれば置き配を多く使えるといいんですけどね。